予想以上に軽快な内装
ほとんどの人が「玄関・ホール・廊下・階段」型の家で人生をすごしてきて、これが普通の家だと思っています。
しかし、これが日本の伝統的な間取りのスタイルかというと、そうではありません。
部屋の中に階段があった昔の家。
次上段のは、名古屋のある住宅です。
納屋のような建物と連結していて以前ここには土でつくったかまどや五右衛門風呂がありました。
間取りは、日本の伝統的スタイルのいわゆる「田の字」型で、床の間と仏壇がある2部屋のふすまをはずすと、親族が仏事や祝い事をする大きな広間ができます。
これらの部屋はふすまを閉めても必ずしも各室が閉じられるわけではなく、ふすまの上は欄間なので空間そのものはつながっています。
この家には今日的な廊下、いわゆる中廊下がありません。
あるのは縁側です。
玄関脇には洋間もあります。
この家には2階があり、寝室や物置として使われていました。
2階へ上がる階段が面に見えますが、この階段の入り口には戸がなく、6畳の部屋から直接上がります。
先の例のように、部屋からいったん廊下に出てから上がるようにはなっていません。
別の例ですが、日本の伝統的な家具に箱階段というものがあります。
これは古い商家や町家などに多くみられるもので、階段の側面には引き出しや引き戸がついていて、便利品であると同時に、その家のステータスのような意味合いをもった芸術性のある家具でもあります。
昔の箱階段は部屋の中にある。
す。
ヒノキやケヤキなどの木でつくられ、引き出しはしゃれた鉄の金具をつけるなど立派な美術品といえるものです。
商家などでは中の間と呼ばれる重要な部屋におかれます。
そして2階へは廊下からではなく、部屋から直接上がります。
このように、昔の日本の2階建てをみると、玄関・廊下・階段をひとまとめにして、居室から外に締め出すというスタイルはみられません。
これが第1期の住宅で、ここには部屋を暖めるという考えはありません。
火鉢で暖をとる程度ですから家の中は寒いのですが、いつもどこでも均一に寒いわけですから、2階から冷気が降りてくる心配はなく、家の中の温度はいつもどこでも低く安定しています。
結露の心配もありません。
玄関・ホール・廊下・階段型住宅。
ところが、あるときから、日本の住宅はその姿を変え、前述のような「玄関・ホール・廊下・階段」型の第2期に移行するのですが、その背景には石油ストーブの普及があります。
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